人民解放軍中佐台湾へ亡命か

執筆者:2001年4月号

 米電子偵察機と中国軍戦闘機の接触事故の裏で、中国人民解放軍の中佐級の軍人が台湾に亡命していたことが判明した。この軍人は台湾海峡沿いでの軍事演習の内容を知り得る立場にある南京軍区の出身者で、「台湾軍はかなり重要な情報を入手できた」(在京軍事筋)模様だ。 中国軍人の亡命では、国防省の徐俊平・外事局米国科長(中佐)が昨年末に米国に亡命している。この情報は銭其シン副首相が訪米し、ブッシュ米大統領と会談する前日に台湾『聯合報』によって暴露されたことから、台湾当局による米中離間策との見方が強いが、その後、徐氏のほかに四人の将校クラスの中国軍幹部が相次いで米国に亡命していたことが判明している。 冒頭の中佐は、九九年に台湾に亡命し、現在も台湾に滞在中といわれ、南京軍区から北京軍区へ異動となった際の待遇に強い不満があったことが動機だったという。一方で米国への亡命の場合、米中央情報局(CIA)などによる事情聴取が一通り終了すると、「マイアミにある反共団体の手で中南米の某国へと船舶で移送されている」(台湾治安当局筋)という。亡命者たちは中南米で集団生活を送っているといわれる。

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