これまで姿を見せたことがなかったワシントンの中国大使館に所属する情報関係者が、米中軍用機接触事故をきっかけに大挙して現れ、米国の専門家の間で話題を呼んでいる。 中国情報関係者が姿を見せたのは、接触事故と関連したシンクタンク主催のフォーラム。接触事故についての米国の中国専門家の立場を調査する目的なのか、中国情報関係者は質問もせず講演者の話を黙々と記録して帰る。なかでも話題を集めたのは、四月五日に開かれた米国アトランティック・カウンシル主催の会合。講演者が米軍偵察機に乗務した海軍将校で、武官として中国にいた人物だったためか、中国大使館の政務担当一等書記官を筆頭に大使館と国営報道機関から総勢二十名余りが一挙に現れたという。米国エンタープライズ研究所開催の会合でも同じような光景が見られた。 国際戦略問題研究所(CSIS)の中国専門家は、「いままでワシントンで行われた中国関連フォーラムへの中国人の参加は極めて限られていた。接触事故により米中関係は悪化したが、そのお陰でワシントンの中国専門家にとっては中国大使館関係者に初めて接する機会をもてた」と喜んでいる。

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