米国の次期駐日大使となるハワード・ベーカー氏が、主要な仕事の一つとして、ロシアの核拡散を防止するために、資金援助を大幅に増額するよう日本に要求してくるとの見方が強まっている。 米国は、ロシアの核が「ならず者国家」に流出しないように、ロシアに年間七億六千万ドル以上の資金援助をしている。しかし、ブッシュ政権は、巨額の資金援助が十分な効果を上げていないとの判断から、国家安全保障会議で見直し作業を進めている。 一部の米マスコミが、見直し作業の内容について報じたのは、内外の反応を探るためのリークとみられている。 ロシアの核兵器解体と核物質の取り扱いに関する米エネルギー省特別調査委員会の委員長であるベーカー氏は、こうしたリークとほぼ時を同じくして、上院外交委員会で証言。ロシアの核解体に伴う費用を日本や欧州諸国に負担させるべきだとの見解を表明した。 日本は巨額の支援金をロシアにつぎ込みながら、北方領土交渉の実質的進展につなげることができていないだけに、米国の圧力にどう対応するか難しい判断を迫られそうだ。

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