ブッシュ米政権の重鎮、チェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官が来年十一月の中間選挙後に退陣するのではといわれ始めた。 心臓病を抱えるチェイニー氏は発作が起こりやすく、医師団も静養を勧告している。同氏はもともと副大統領職に乗り気ではなく、ブッシュ大統領との間で、任期途中での退陣容認の密約があったともいわれる。 後任の副大統領候補は、大統領に近い女性のホイットマン環境保護局長官やリッジ・ペンシルベニア州知事ら穏健派の起用が有力だろう。 また高齢のラムズフェルド氏も二年間という約束で国防長官ポストを受諾したとの情報がある。政権内タカ派のこの二人が退陣すれば、パウエル国務長官の影響力が増大するのは確実。政権内では、チェイニー、ラムズフェルド両氏らタカ派と穏健派・パウエル長官の対立が激しいが、パウエル長官が途中で投げ出さない限り、穏健派が勝利を収めそうだ。 また、中間選挙では通常、野党側が勝利する傾向が強く、民主党が勝利し、上下両院を制するとみられている。その場合、ブッシュ政権は議会の圧力で穏健志向を強いられるといわれる。現在の保守志向は長続きしないとの観測が強い。

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