七月二十八日のペルー独立記念日に正式就任するトレド次期大統領率いる新政権はユダヤ系主導になるとの見方が有力になっている。 ペルーにフィデオ(スペイン語でユダヤ人を指す)社会が存在することはあまり知られていないが、首都リマでは商工業界を中心に隠然たる勢力を保ち、その結束力も強い。トレド新政権のダビッド・ワイスマン次期第二副大統領もフィデオの出身だし、ファーストレディとなるトレド夫人のエリアンさんもベルギー系ユダヤ人である。 また、新政権の経済閣僚の一人にポーランド系ユダヤ人のペドロ・パブロ・クチンスキー氏が就任するのは確実。同氏は八〇年代のベラウンデ政権時代にエネルギー・鉱業相を務めたほか、世銀や米国の投資銀行幹部も歴任し、国際経済界では知る人ぞ知る実力エコノミスト。大統領選挙期間中もトレド氏が「最も頼りにしたアドバイザー」(トレド氏側近)だけに、新政権の中心的存在になるとみられる。 リマの消息筋によれば、大統領選でトレド氏当選の原動力になったのは、クチンスキー氏のユダヤ・コネクションによる内外からの資金提供だったという。

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