ブッシュ政権の対中政策をめぐって、米中央情報局(CIA)と議会が小競り合いを繰り返している。 上院情報特別委員会をはじめ議会内の中国関連議員は、先の米中軍用機接触事故当時にCIAが提供した情報があまりにも楽観的で、結局二十四名の乗務員帰還に多くの時間を浪費しなければならなかったと非難している。最も強硬なのは上院情報特別委員を務める共和党のシェルビー議員で、彼の主張により、CIAは分析の結果ではなく、分析の元となった資料を提出せざるをえなかった。さらに議会側は、「Bチーム」と称する中国情報の分析チームを組織する可能性まで示唆している。 CIAに不満なのは議会だけではない。ワシントンにあるシンクタンクの上級研究員は「ブッシュ政権は中国を競争相手と規定したのに、CIAはアジア地域の敵をアジア太平洋地域の国家といった遠回しの表現しかしない。これにホワイトハウスが辟易している。クリントン政権に慣れたCIAはブッシュ政権の口に合う情報を提供できないようだ」と語り、早ければ九月末に予定されるブッシュ大統領のアジア訪問前後にCIAの中国担当者の相当数が入れ替わると予想している。

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