社団法人「日本臓器移植ネットワーク」の小紫芳夫会長に関する怪文書が大量に出回っている。金銭疑惑や女性問題が主な内容で、その真偽のほどは定かでないが、関係筋は「JRA(日本中央競馬会)をめぐる利権争いが背景にある」とみており、警視庁など捜査当局も注目している。 移植ネットを立ち上げた小紫氏は、一方で全国の馬主協会を束ねる日本馬主協会連合会の会長を今年三月まで四期八年にわたって務めてきた。関係者によると、この馬主協会連合会には、年間約七十億円もの巨額資金がJRAから流れてくるという利権があるため、これをめぐる猛烈な争いがあるというのだ。 折しも、同連合会会長は小紫氏から、京都馬主協会の谷水雄三氏に交替したばかりだが、JRAは自分たちとは一線を画そうとする小紫氏を代えたがっていたといわれる。一方の谷水氏はJRAの傀儡。つまり、馬主協会連合会の小紫派、反小紫派、JRAが三つ巴の争いを演じてきたというわけだ。どうやらその過程で小紫氏を攻撃する怪文書が流されたようだ。「最大の農水利権」ともいわれるJRAの内紛に捜査当局の関心は高まっている。

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