ブッシュ米大統領の最大の外交アドバイザーは、父親のブッシュ元大統領といわれる。大統領は携帯電話の短縮ダイヤルに父親の携帯の番号を登録、外交問題に一家言もつ父に頻繁に助言を求めているという。 米当局者によれば、北朝鮮との対話再開など予想より穏健な新しい北朝鮮政策も、父親の助言によるもので、大統領は強硬派の意見を退けたという。対ロ、対中外交でも広範に助言を受けているとされるが、二人の話の内容は側近にも知らされていない。共和党穏健派に属する元大統領の影響力増大で、ブッシュ外交は柔軟姿勢を強めつつある。 ブッシュ家に近いフィッツウォーター元大統領報道官は、「元大統領は現職との間に節度を保とうとしており、自分からあまり電話しないが、大統領がよく電話してくるようだ」と述べた。元大統領はかつての腹心パウエル国務長官とも頻繁に電話連絡しており、政権内で今後穏健派が巻き返す可能性がある。 七十七歳の元大統領はヒューストンの自宅とメーン州の別荘を往来しながら、世界各地を外遊、各国に友人も多い。大統領が最も信頼する人物だけに、プッシュホンならぬ、携帯の「ブッシュホン」が米国の外交政策を決定付けるかもしれない。

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