インドネシアのワヒド大統領の有力側近の一人、ロパ検事総長が先に滞在先のサウジアラビアで急死した事件は、実は大統領の敵対勢力による謀殺だったのではないかとの情報が流れている。 駐サウジ大使だったロパ氏は六月初め、急遽、検事総長に起用され、反ワヒド派の政治家の政治資金疑惑捜査に着手、大統領を弾劾しようとする勢力を阻止する工作を行なっていたのは周知の事実。 ジャカルタの外交筋は「大使職務引き継ぎのためサウジに戻り、メッカ巡礼までしていたロパ氏が心臓病の急変で死亡したというのはあまりに不自然。入院先の病院から複数のインドネシア人患者が事件直後に姿を消したとの有力情報もある」と死因に疑問を投げ掛けるとともに、「国軍強硬派と国家警察の反ワヒド派の連携による政治的暗殺の可能性も否定できない」と語る。 同筋によれば、両派は五月ごろから頻繁に秘密会合を持ち、「ワヒド暗殺」を含め、メガワティ政権誕生に向けさまざまな秘密工作を画策していたという。 先に豪州訪問に向かう途中のワヒド大統領搭乗機がエンジン故障で緊急着陸したのも、本当は暗殺未遂事件だったとの説もある。

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