もろもろの懸案が解消し、二度目の南北首脳会談が実現する場合、北朝鮮の韓国に対する外交上の「手土産」は、北朝鮮内での石油開発ではないかとの予測がある。 北朝鮮問題に詳しいワシントンの消息筋は、「北朝鮮で石油が生産されているというさまざまな証拠がある。現在油田開発が最も活発に行なわれているのは、平安南道の粛川、南浦の二地域。すでに北朝鮮は、昨年一千万ドル相当の精油を輸出した」と話す。具体的な埋蔵量や場所は極秘とされているが、同消息筋によれば、金正日訪韓の「手土産」として韓国国民に明らかにされる可能性が高いという。 韓国政府は北朝鮮内の石油開発情報を重要な秘密事項として分類し、報道機関による関係者へのインタビューをはじめ、関係者の寄稿、資料提供を全面禁止している模様だ。九七年に東京において北朝鮮油田に関する説明会を行なった崔東竜博士は最近、韓国紙に対し、「第二回南北首脳会談前に、北朝鮮の石油開発については何も言えない」と語り、取材を拒否した。北朝鮮の石油については、以前から様々な憶測があるが、金正日訪韓の暁に、ようやく秘密が明かされるかもしれない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。