警察をPRする広報誌が七月十四日、日本で初めて家庭に届けられた。警視庁が新聞折り込みの形で東京都内四百四十三万世帯に配ったもので、タイトルは「広報けいしちょう」。「東京犯罪事情」や「非行防止のための親の心構え」「性犯罪から身を守るための知恵」などを柱とした四ページ構成のタブロイド判だ。「都民からの評判は『読みやすい』と上々」(広報課)だったようだが、別の筋から「すごい反響」があった。この広報誌の印刷・配送を受注したい新聞各社からの大反響だ。 広報誌の事業予算は一億八千万円。うち一億円が配送・折り込み費用で、三千万円が印刷代。業者は全て警視庁の指名業者による競争入札で決められた。今回は新聞社系の印刷会社や配送業者は受注していない。新聞社系業者は警視庁の指名を受けていないケースが多いからだ。 収まらないのは、収入源が欲しい各紙経営陣。「こういう仕事があるのに、なぜうちには警視庁から連絡がないのか。警視庁に詰めている記者は掴んでいなかったのか」などと、各社の警視庁担当記者が詰問された。長引く景気低迷に各社が苦しんでいるのは事実だが、事件記者に「公共事業」をとってこいとは……。

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