静岡県沼津市 加藤学園

執筆者:草生亜紀子2001年8月号

たし算ひき算を英語で教える小学校 Perpendicular Lines――黒板の中央にあるのは、四年生の算数の時間の、この日のテーマである「垂直線」。オーストラリア人の先生が、「この前、right angle(直角)を勉強したよね。その直角を作るように交差する線がperpendicular linesです」と普通の速度の英語で説明する。子供たちは口々に「right angle」「ninety degrees」と言いながら、両手首をあわせて手で直角を作って見せた。「This may be a spelling word.(単語テストに出るかもね)」という先生の言葉に、一人の生徒は即座に「Easy!」。 ここは、アメリカンスクールでもインターナショナルスクールでもない、日本にただ一つの「バイリンガルな日本の小学校」加藤学園暁秀初等学校(以下、加藤学園)。児童の中には帰国子女も混じってはいるが、大半は普通の日本の家庭に生まれ育った普通の日本の子供たちだ。その子たちが、ネイティブ・スピーカーの話す普通の速度の英語で授業を受けて、英語で質問をしている。 一九七二年、日本初の「カベのない学校(オープンスクール)」として創立された同校は、十年前から、日本語で授業をする普通のコースと併設して、半分以上の授業を英語で行なう「イマージョン・コース」を設けている。

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