米政府の高官人事で、ブッシュ政権幹部の親族や友人が登用されるケースが目立ち、ワシントンの顰蹙を買っている。元UPI通信記者のコラムニスト、ヘレン・トーマス女史(八一)が最近、「破廉恥な情実人事」とコラムで批判した。 同女史によれば、パウエル国務長官の長男、マイケル・パウエル氏が利権ポストの連邦通信委員会(FCC)委員長、チェイニー副大統領の女婿、フィリップ・ペリー氏が司法次官、ダニエルズ行政管理予算局長の妹が司法次官補といった具合だ。昨年の大統領選で最高裁のブッシュ当選裁定に一役買ったレンキスト最高裁長官やスカリア最高裁判事の近親者も、厚生省や労働省の高官に就任しているという。 約五百に上る政府高官ポストは民主党主導の上院の承認が遅れており、着任したのはまだ二〇%足らず。着任者の半数前後がレーガン、ブッシュ政権時代の出戻り組とされ、フレッシュさに欠けている。 トーマス女史は「情実人事は過去にもあったが、これほどの規模は初めて」と憤慨している。ブッシュ大統領自身、当選は「親の七光り」だけに、幹部のネポティズムは政権の致命傷となりかねない。

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