九月二十七日召集の臨時国会は、郵政関係者による大量の選挙違反者を出した高祖憲治参院議員の進退問題で、冒頭から波乱含みの幕開けとなるのは必至。それだけに郵政族のドン・野中広務元幹事長はかつてない窮地に立たされている。 郵政民営化、特殊法人改革を掲げる小泉純一郎首相にとって、高祖問題は「反改革派」の牙城である郵政族に楔を打ち込むだけでなく、郵政関係を大票田とする橋本派の「抵抗」を牽制し、政局の主導権を確保するという政治的な側面を持つ。小泉首相の盟友である加藤紘一元幹事長は、高祖議員の去就について「きついと思う」と辞任を容認する姿勢をみせている。 これに対し青木幹雄参院幹事長は、「逮捕者が出たから辞めなければいけないというのは後に尾を引く」と弁護している。だが、その一方、橋本派で首相と最も太いパイプを持つ青木幹事長は最近、野中氏の影響力低下を当然視するような素振りも見せ、橋本派内の複雑な力関係を浮き彫りにした。 特に野中氏にとって深刻なのは、地元の京都中央郵便局の赤井寛正局長が逮捕されたこと。郵政族のドンのお膝元で選挙違反逮捕者を出すことなど予想だにできなかった事態だけに、郵政族には激震が走った。

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