アメリカが同時テロの首謀者として追及しているオサマ・ビン・ラディンの所在については、アフガニスタン南部カンダハル周辺やパキスタン国境に近いジャララバードとの情報を始め、諸説乱れ飛んでいるが、トルクメニスタン国境付近の北部山岳地帯に潜伏中であるとの有力情報が、タリバンに近いパキスタンの情報筋から流れてきた。 トルクメニスタンは、周辺国が国境を封鎖するなか、唯一国境を開放しており、また国内にイスラム原理主義組織がある一方で、ニヤゾフ政権が「永世中立国」として米英やタリバンと等距離外交を続けていることが、「ビン・ラディンにとって比較的安全な場所となりうる」というのが、その根拠。ただし、最終目的地というわけではない。 確かに空爆前の最後のビン・ラディンの目撃情報は、首都カブールで民衆に別れを告げて家族や側近と馬で北へ向かった、というもので、これも北部山岳地帯潜伏説を補強している。そして今後は、トルクメニスタンに密かに越境して、最終的にはイスラム原理主義者が抵抗運動を続けているロシア南部のチェチェン共和国かダゲスタン共和国入りを狙っているという。

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