米国テレビ局各社の間で、九月十一日の国防総省に対する旅客機自爆テロの模様を映したビデオテープをめぐって熾烈な争奪戦が繰り広げられている。 問題のビデオテープは、国防総省に隣接するホテルの屋上に設置された監視カメラが偶然に撮ったもので、アメリカン航空のボーイング757型機が国防総省に突入する瞬間から建物が崩れ落ちるまでが十分あまりにわたって録画されている模様だ。このビデオテープは、同時多発テロ翌日の九月十二日にFBI(米連邦捜査局)により証拠物件として押収され、現在は情報機関に保管されているという。FBIは、国防総省爆破の場面がテロリストによって勝利の象徴として使用されることを憂慮し、最高機密に分類しているようだ。 FBIの来訪前にビデオテープを見たホテルの従業員は例外なく大きな衝撃を受けたらしい。米国のテレビ局は、監視カメラが二十四時間作動していた西側のヘリポートが攻撃を受けたことを考えると、このホテル屋上からのビデオテープ以外にも多数の映像があるとみている。情報機関に保管されているビデオも含め、各局はスクープ映像の入手を虎視眈々と狙っている。

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