北朝鮮から亡命した黄長ヨプ元朝鮮労働党書記のワシントン訪問を妨げてきた韓国政府が、新しい大義名分探しに苦慮している。 北朝鮮との宥和を図っている韓国にとって、金正日体制の危険性を説く黄長ヨプ氏は煙たい存在。韓国では思うような言論活動ができず訪米を希望する黄氏に対し、国家情報院(旧国家安全企画部)は身柄の安全確保を理由に反対してきた。韓国に身柄の保証を求められた米国も、国賓ではない個人の安全を政府が保証することは慣例に合わないと否定的だった。ところが、最近ヘルムズ共和党上院議員を通じて、米国務省が黄氏の安全のために措置を講じると韓国に約束したことが明らかになった。国務省は訪米日時、同行者数、旅行日程等の情報提供を希望しながらも、韓国の“要求”に積極的に対応する意向のようだ。韓国は訪米阻止の理由を完全に失ってしまった。 ワシントンのシンクタンクの韓国専門家は、「同時多発テロ以降、黄長ヨプ氏の訪米は朝鮮半島に限った問題ではなく、テロに対する戦争を宣言した米国の国益全体に絡む問題となってきた。黄氏は、テロ支援国である北朝鮮の実像について証言することを期待されている」と話す。

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