中国がアフガニスタンの政権に肩入れしていることを示す証拠が明るみに出始めている。米英に衝撃を与えたのは、米軍が十月下旬、カンダハルに対して行なった空爆で、タリバン兵の死者の中に少なくとも二十人の中国人民解放軍兵士が含まれていたとする情報だ。 今回の米英の対タリバン攻撃で、中国は米英に対する支持を公式には控えている。中国にとって、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒の分離独立運動を封じることが最重要で、同自治区のイスラム教徒に対しテロ訓練を施してきたとされるタリバンとの関係悪化は、どうしても避けたいところだ。へたをすれば、分離運動の炎はチベットにまで飛び火する。 このため、中国側はタリバン兵士の訓練や資金供与などの懐柔策をとってきた。現在もタリバン支援を続けているのは「公然の秘密」(外交筋)といわれる。 中国はタリバンに武器も供与しているほか、アフガンの旧ソ連製の電話システムを中国製に交換するなどの密接な関係も浮び上がっている。 死亡した二十人の解放軍兵士が、訓練担当だったのか、それ以外の任務を帯びていたのかは不明だ。

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