「オサマ・ビン・ラディンの命脈」

執筆者:名越健郎2001年11月号

 同多発テロと米軍のアフガニスタン攻撃が、米テレビの夜のトークショーのネタ選びを困難にしている。「ジョークは受難の時代になった。コーランやイスラムを皮肉るのはタブー。世界貿易センタービルも取り上げられない。何より、ブッシュ大統領がスマート・ガイなのだから」とNBCテレビのホスト役、ジェイ・リノが嘆いた。しかし、3大ネットワークのトークショーはオサマ・ビン・ラディンを集中攻撃することで、視聴率も9月11日以前より上がっているという。 米航空大手、ボーイング社がビン・ラディンに書簡を送った。「あなたは弊社の製品を使用するのがお好きなようなので、爆撃機と巡航ミサイルもお届けします」 米中央情報局(CIA)の要員同士の会話――。「ビン・ラディンはアフガニスタンのオマル師の娘と結婚したが、夫婦仲はあまりよくないらしい」「どうして分かるのだ」「彼は毎晩、妻とは別の洞窟で寝ている」 ビン・ラディンが米軍の攻撃で重傷を負って捕らえられ、米国の病院に送られた。 ビン・ラディンが医師に尋ねた。「ドクター、わたしはいつ死ぬのか」「米国の祝日に死ぬことになる」「なぜ祝日に死ぬと分かるのか」「いつ死のうと、その日は米国の祝日になる」

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