経営破綻した朝銀東京信組旧経営陣の刑事責任追及は、検査忌避(協同組合金融事業法違反)という「形式犯」から、朝鮮総連幹部を巻き込んだ八億三千万円もの業務上横領容疑にまで拡大した。端緒となったのは朝銀東京の捜索で押収した伝票類。「ほぼ完全な形で残っており、証拠隠滅の形跡は認められなかった。まさかこれほど真っ正直に残しているとは」と、警視庁も驚いている。 経済事件を扱う捜査二課は通常、あらかじめ立件内容の青写真を描き、関係者の供述を引き出したうえで逮捕・家宅捜索などの強制捜査に着手する。しかし今回は相手が「朝銀=朝鮮総=北朝鮮」だけに事前の接触はできず、「家宅捜索してみなければ、何が出てくるかわからない」(捜査二課員)という状況だった。「朝銀関係者は『総連指導者に対応を訊ねたが、日本の警察が自分たちに迫れるはずがないとたかをくくっていて、指示がなかった』と言う。警視庁というか、刑事警察をナメていたんだよ」(同) 総連はこれまでスパイ事件を摘発されるたびに「政治的な陰謀」だとして自身の正当性を唱えてきた。だが、業務上横領という刑事事件では、プロパガンダは通用しない。

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