一昨年十一月から日本に“亡命”中のペルーのフジモリ前大統領が二、三年後に日本の政界に打って出るのではとの噂が流れている。 フジモリ氏は一月十日、拓殖大でテロリズムについて講演したが、同氏の関係者はこの講演について「事実上の隠遁生活を送ってきたフジモリ氏が今後、公の活動に乗り出すことを宣言するものだ」と指摘する。この関係者によれば、フジモリ氏はこれまでの執筆活動に加えて、公式の場で自らの政治的立場や主張を積極的に表明していく考えだという。 フジモリ氏は、依然としてペルー政界への復帰も模索し、数年をメドに復権を図る意向を棄ててはいないとみられる。しかし、ペルー復帰の望みが完全に断たれた場合には、日本の政界で活躍したいとの気持ちを抱いているようだ。 フジモリ氏をよく知る日系ペルー人の一人は「支援者である日本の政治家を通じ、日本の国会や国会議員のことを詳しく調べている」と語る。また、自民党の一部議員の中にも「フジモリ氏の知名度と人気からすれば参院選比例代表で当選できる」と読む向きもある。日本に国籍を残していることが“判明”しており、法的にも障害はないという。

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