「クリーン政治」を看板に登場したメガワティ大統領の身内に汚職絡みの黒いうわさが流れている。 ジャカルタの消息筋によると、同大統領の夫であるタウフィク・キマス国会議員が昨年十二月、政府代表団を率いて中国を訪問した際、公務そっちのけで、自分が経営する貿易会社の私的ビジネスを優先し、中国側と“商談”をまとめた。しかも、この取引にはインドネシア政府の公的資金が流用されているという。 タウフィク氏は以前から、やり手の実業家とされているが、ジャカルタの日本商社筋は「これまでも、汚職を働いたとのうわさがあり、訪中の際の“商談”も表面化しないよう大統領周辺が懸命に火消しに努めている」と語っている。 メガワティ大統領は三番目の夫であるタウフィク氏との家庭生活を維持していきたい意向で、「夫の行動に注意するようなことはほとんどない」(大統領側近筋)といわれる。 最近では、タウフィク氏は大統領が行なう人事政策にも口を出すようになっているとも言われ「メガワティ政権の命取りになる恐れもある」と囁かれている。

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