早くも囁かれるラバニ派の陰謀

執筆者:2002年2月号

 三月下旬に帰国が予定されるアフガニスタンの、ザヒル・シャー元国王に対し、暗殺の陰謀が企てられているとの情報がある。 カブールの英国情報筋によると、元国王暗殺を狙っているのはアフガン暫定行政機構(内閣)内で主要ポストを占めている北部同盟のラバニ元大統領を支持するグループ。 昨年暮れ、暫定行政機構のカルザイ議長に権限を移譲したはずのラバニ氏は、依然としてカブールの大統領宮殿内に居住し、主導権確保を図っているが、東京でのアフガン復興支援会議で多額の援助取り付けに成功したカルザイ議長の影響力が増大していることに強く反発。 タジク人であるラバニ氏は、かつて自分の部下だったパシュトゥン人のカルザイ氏の台頭に、激しい敵意を抱いているとされる。 ラバニ派内では、カルザイ議長の後ろ盾とされる元国王の帰国によって同議長の権力が増すのは確実との意見が大勢を占め、元国王の暗殺を有力選択肢の一つに挙げる者もいるという。 同派の一部将軍らが、テロ組織アル・カエダ残党の犯行に見せかけて元国王を殺害する方法をラバニ氏に進言したとの情報も流れている。

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