ベネズエラのチャベス大統領“打倒”を目指し、米中央情報局(CIA)が画策を始めたようだ。 同大統領はキューバのカストロ国家評議会議長を信奉する「南米の反米派の旗頭」と目され、最近では石油産業の国家統制強化や大土地所有禁止など社会主義的政策を打ち出すなど、「米国の利益を害しかねない要注意人物」(CIA高官)とマークされている。 カラカスの消息筋によれば、CIAは今年初め、反チャベス派のベネズエラ軍人グループと秘密会合を持ち、同大統領追放に向け支援することを申し合わせた。この会合には、二月初めにチャベス大統領退陣要求演説を行なって内外の注目を集めたベネズエラ空軍の実力者ソト大佐も参加していたという。またCIAは、ドミニカ共和国に亡命中のペレス元ベネズエラ大統領とも接触、「チャベス政権打倒工作」に加わるよう促した模様だ。 CIA内では冷戦時代に行なったような外国政府転覆工作をよしとする空気が復活しつつあり、かつてのチリ・アジェンデ政権打倒(一九七三年)を参考に、中南米での米国の権益を積極的に擁護すべきだとの考えが台頭しているといわれる。

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