鹿児島県奄美大島沖で、昨年十二月に沈没した北朝鮮の工作船とみられる船を引き揚げるにあたり、作業を行なう海上保安庁に海上自衛隊など防衛庁が協力し、不測の事態に備える方針であることが明らかになった。 まず、四月下旬に予定されるダイバーによる潜水調査では、事前調査で船体の周囲や甲板上に機銃や弾薬が散乱していることがわかっているため、これらの調査・回収には爆発物処理能力のある海自潜水部隊のダイバーがあたる。この際使用する自航式水中装置(ROV)も、海保が有するROVよりも数段性能が優れた海自所有のROVを提供する。 さらに、早ければ五月に実施する船体の引き揚げ作業では、海保の要請を受ける形で、海自が艦艇や航空機で周辺の警戒監視を行なうことになった。航空自衛隊も「国籍不明機の現場海域への接近に対処」するため、戦闘機を沖縄県那覇基地や宮崎県新田原基地に展開させてスクランブル態勢をとる。 工作船の通信装備などへの関心を深めている米軍も「必要に応じて協力する」と表明しており、日米間の協力も実現することになりそうだ。

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