イスラエル軍によるパレスチナ自治区への軍事侵攻が激化していることを受けて、世界最大のイスラム人口を抱えるインドネシアでは、現地に赴きイスラエル軍と戦う「戦士」の募集が始まった。 首都ジャカルタにあるイスラム急進派勢力「イスラム擁護戦線本部」では、これまでに四百人以上が登録を済ませており、この中から「戦死を覚悟した戦士」を選抜して現地に派遣する予定という。 ただ、この手の運動は、米軍のアフガニスタンでの軍事行動開始後も「アフガンのイスラム教徒と連帯を」と戦士を募集したものの、実際に派遣にはいたらなかったように、あくまで募集してイスラム教徒としての連帯感を示す「示威行動」に留まるのが常で、インドネシア政府や治安当局も特に警戒を強めてはいない。 一方、同戦線を中心とするイスラム団体は、イスラエルに強い姿勢を示さない米国に対する抗議活動を強めており、米大使館には連日のようにデモ隊が押し寄せるなど、パレスチナへの同情と米国への怒りがイスラム教徒の間で徐々に高まっており、治安当局は欧米のビジネスマンや観光客への暴力事件発生を警戒している。

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