今年十一月にチェコのプラハで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、バルト三国など新たに七カ国の新規加盟が実現することがほぼ確実になった。 NATO筋によれば、新規加盟国は旧ソ連を構成したエストニア、ラトビア、リトアニア(バルト三国)のほか、スロベニア、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア。スロバキアについては秋の選挙で民族右派政党が政権を掌握した場合、加盟延期の可能性があるが、NATOは最大二十六カ国体制に膨れ上がる公算が強い。 当初は小規模拡大とみられていたが、バルトへの投資を拡大する欧州諸国が三国の加盟を強く主張。ルーマニア、ブルガリアについては、イラク攻撃を行なう場合、NATO加盟国のトルコと中欧を陸続きにしたいとのブッシュ米政権の意向が働いている。 一九九九年のチェコなど三カ国の加盟では、東方拡大に抵抗するロシアにG8加盟など多くの“補償”がなされたが、今回はロシアとの対話強化措置のみ。「米国などがプーチン政権を軽視または無視している表れ」(外交筋)と言える。しかし、旧ソ連地域に米軍が進出することは、ロシア軍や保守派の強い反発を呼びそうだ。

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