パキスタン軍統合情報局(ISI)が米軍のアル・カエダ摘発作戦への協力を渋っており、オサマ・ビン・ラディンの行方が依然不明なのも、ISIが情報を握りつぶしているためとの見方がある。 イスラマバードの外交筋によると、ISIが米軍への協力を嫌がる最大の理由は、宿敵インドに対し、このところ米国が軍事面で急接近しているため。米印両国は三十九年ぶりの合同軍事演習のほか、来年には米アラスカ州で行なう軍事演習にインド軍が参加する計画も検討している。 ISI幹部は、インドの意図がパキスタンとの戦争に備えた兵士の訓練や戦闘能力の強化にあるとみており、米国への不信感を募らせている。ISI幹部の間では、米国がインドとの軍事演習を中止しなければ、米軍のアル・カエダ摘発作戦には協力しないとの空気が強いという。 ISIはアル・カエダとの密接な関係が噂されるほど、同組織の動向に詳しく、ビン・ラディンの消息についても「重要情報」を握っているふしがあるが、外交筋は「ISIはそうした情報を米国に伝えていない」と語っている。

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