アフガニスタンでの対テロ攻撃に参加して横須賀基地に帰港後、再びインド洋に向かう予定だった米空母キティホークが予定を変更したのは、北朝鮮への警戒からだった――。米軍筋によると、昨年九月の同時多発テロの後、米国が最も警戒しているのは核兵器を使ったテロ攻撃。ブッシュ米大統領が「悪の枢軸」と名指ししたイラク、イラン、北朝鮮はいずれも核兵器開発が疑われているため、このまま査察に応じなければ攻撃する計画が浮上している。 一方、キティホークは昨年九月に横須賀を出港して「不朽の自由」作戦に参加し、四月中旬には再びインド洋に向かうべく日本近海で訓練を繰り返していた。海上自衛隊関係者は「米軍が北朝鮮について、どんな情報を得たのか不明だが、出港直前に『アフガン攻撃には参加しない』と計画変更を伝えてきた」と明かす。予定通り四月十五日に横須賀を離れたものの、日本近海にとどまり、次いで四月下旬に香港に入港した後、タイに移るなどアジアから離れていない。 米国の北朝鮮攻撃が近いのか? 海自関係者は「キティホークは北朝鮮に対する抑止力でもある。いつも北に注目しているとシグナルを送ることに意味がある」という。

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