チャベス大統領追放を目指してベネズエラで四月に起きたクーデター未遂事件の背後に、米中央情報局(CIA)が絡んでいたことは公然の秘密とされているが、CIAは先の失敗に懲りず、再び「チャベス大統領打倒」の策略をめぐらしている模様だ。 カラカスの消息筋が明らかにしたところによると、CIAは、クーデター未遂事件の直後から、海外に亡命したベネズエラ国軍幹部と接触を図る一方、国軍内に残る反チャベス派グループとも連絡をとって、新たな秘密作戦を練っている。また、カラカスの米大使館内のCIA要員が、国内の反チャベス派の実業家や政治家と“ポスト・チャベス”の政権づくりについて秘密協議を行なったという。 こうした動きはCIAの独走ではなく、米ブッシュ政権は、チャベス政権が単に反米政策をとっているだけでなく、「悪の枢軸」のひとつであるイラクに急接近していることを深く憂慮し、こうした外交政策を放棄しない限り、打倒する方針だという。 CIAは、ベネズエラ国軍内には隠然たる反チャベス派勢力が残存しており、これらの勢力を利用することでチャベス追放が可能だとみているようだ。

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