若い携帯電話ユーザーの間では「切れるドコモ、キレるau、キレるJ-フォン」というのが合言葉だとか。ドコモは通話が途切れる、auはダサくてキレる、J-フォンの場合はセンスがキレる、のだそうだ。たしかに藤原紀香のCMや写メールの好調な売れ行きで、J-フォンにかつての万年最下位の暗さはない。しかし、業績が悪化する親会社の日本テレコムやそのテレコムを買収した英ボーダフォンは何を言い出すかわからない。同社の躍進は波乱の要素を含んでいる。「コングラッチュレーションズ!」――。四月五日深夜、東京都港区の愛宕山に聳えるJ-フォン本社。ダリル・グリーン社長(写真)以下数人の幹部が集まる一室にシャンパンを抜く音が響いた。この日、J-フォンの三月末の携帯電話累計加入台数が千二百二十三万二千台となり、二位だったauを二万台近く上回ったことが明らかになった。 二位浮上はJ-フォンの前身であるデジタルホンが一九九四年にサービスを開始して以来の快挙だ。原動力となったのは二〇〇〇年十一月に開始した「写メール」。端的で洒脱なネーミングも若者に受け、今年三月には写メール加入者が四百万人を突破。J-フォン全体の加入者の三割にのぼる勢いだ。業界の盟主、ドコモをも脅かす躍進ぶりである。

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