インドとパキスタンの軍事的緊張を煽っている“張本人”は、武装テロ組織アル・カエダではないかとの見方が出ている。 イスラマバードの情報筋によると、印パの係争地、カシミールのパキスタン側支配地アザド・カシミールには、アフガニスタンから逃れてきたアル・カエダのメンバー数百人が潜伏、イスラム過激派組織と行動をともにしている。 五月末のパキスタンの三度にわたるミサイル実験でインド側の反発が高まったのを受け、パキスタンのムシャラフ大統領は情報機関、軍統合情報部(ISI)に命じてアザド・カシミールでイスラム過激派各派の指導者を一堂に集め、インド側への越境テロを一時停止するよう要請した。 ところが、アル・カエダの幹部らはこの会合への出席を拒否したばかりか、要請も無視。その後も越境テロを繰り返し、インドを刺激し続けているとみられる。ISIが傍受したアル・カエダ幹部同士の無線交信で、「印パの緊張を激化させ、パキスタン軍をアフガン国境からカシミールに移動させることで、米パのアル・カエダ掃討作戦を食い止める」戦術であることが確認されたという。

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