セリグ・コミッショナーが、初めて日本メディアの単独インタビューに応じた。日本でのビジネスを今後どう展開するのか。野球W杯にはどう関与するのか――。さまざまな難題を解決してきた経営のプロとしての視点から、長期戦略を語った。 バド・セリグ氏は、MLB(Major League Baseball)のオーナー会議議長あるいはコミッショナーとして、一九九二年九月以来、強いリーダーシップを発揮してきた。日本人選手の活躍によって注目度が飛躍的に高まったMLBは、世界に向けてどのようなビジネス戦略をもっているのか。オールスター戦の翌七月十日、ミルウォーキーで話を聞いた。――MLBのトップとしての十年間を、どう自己評価されていますか。セリグ 大変な十年間だったのですが、いくつものことを成し遂げてきたと思っています。まず、アメリカン・リーグとナショナル・リーグをそれぞれ東部・中部・西部の三地区に分け、各地区の優勝チームと、二位のなかで最高勝率のチームが「ワイルドカード」を得て、計四チームでプレーオフを戦うシステムを作り上げました。両リーグ合わせると八チームが、頂点のワールドシリーズを目指してポストシーズンを戦うわけです。

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