イスラエルのシャロン首相は米議会関係者に対し、イスラエル版ジハード(聖戦)を推進するため「新しい血」、つまり海外在住のユダヤ人を百万人、イスラエルに移住させる政策を明らかにした。 去る六月十日、シャロン首相は、ブッシュ米大統領との会談直後に行なわれた上院外交委員会の秘密会議の席上、「パレスチナとの間の和平が、ここ十年以内に構築できる可能性は希薄であり、これから数年間は軍事対決が続くだろう」と見たうえで、「積極的な人口増加策をとり、二、三年内に人口を七百万人まで増やす計画である」と述べた。 しかし、ワシントンのシンクタンク所属のユダヤ系研究員によれば、「首相の発言は移住にかかる財源確保にアメリカを引き込みたいだけで、七〇年代の中東戦争時のように、多くのユダヤ系アメリカ人を参加させることは意図していない。過去と違い、聖戦に参加するユダヤ系は少数だろう」。 さらに「ロシア、東欧、エチオピア在住のユダヤ人が対象となる可能性が高いが、どのくらい増やせるかはアメリカからの援助しだい」と見る。

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