いますぐ欲しい潜水艦(1)台湾が種まきゃ中国が……
2002年8月号
ワシントンを舞台に、中国と台湾の「潜水艦戦争」が起っている。 台湾が十数名からなるディーゼル潜水艦購入使節団をワシントンに送り込んだのは六月十五日。その十日後の六月二十五日、本誌既報(二〇〇二年六、七月号)のように、アメリカは台湾への売却準備を進めている。危機感を抱いた中国は、国務院台湾事務弁公室の周明偉副主任をワシントンに緊急派遣、台湾への潜水艦販売中止を米国務省関係者に求めた。周副主任は四月の胡錦濤副主席の訪米に同行した外交官。米国務省は六月二十七日にアーミテージ副長官との会談を用意した。 しかし、中国問題専門家は周副主任のワシントン入りの前日、ワシントン・ポスト紙に載った中国のロシア製潜水艦購入交渉の記事に着目、「記事が出たのは国務省の思惑があったからで、台湾海峡での中国潜水艦の脅威を防ぐには、台湾への潜水艦輸出が不可避だというのが国務省の本音」と分析。同紙は六月二十四日にも、ロシアと西側の消息通の話として「中国政府、十六億ドルに達するロシア製ディーゼルエンジン潜水艦八隻の購入交渉始まる」と報じている。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。