マレーシア政府は六月初め、フランスから三隻のディーゼル潜水艦を購入する契約がまとまったと発表した。購入代金は十億ドルにのぼるという。フランス政府は見返りとして三億ユーロ相当以上のヤシ油を購入する。 フランス政府筋によれば、うち二隻は新鋭のスコルペーヌ級潜水艦で、一隻はシェルブールにあるフランス海軍系列の造船所で建造、もう一隻はスペインとの共同生産とし、カルタヘナで建造される。残る一隻はフランス海軍の中古艦で、マレーシアの乗組員の訓練に使用される見込みだ。新造艦はそれぞれ二〇〇七年、二〇〇八年に引き渡され、マレーシアが新たに建設するカリマンタン島の潜水艦基地に配備される。 これによって、東アジアの潜水艦配備競争はいっそう過熱することになる。同じく六月に、中国はロシアからキロ級の潜水艦八隻の購入を決め、五年以内に台湾海峡周辺に配備する。周辺各国の潜水艦配備競争の裏には、海底石油資源に富む南沙諸島の所有権を、中国、台湾、フィリピン、ブルネイ、マレーシア、ベトナムの各国が主張しているという事情があることを忘れてはならない。

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