日本生命保険が日本興亜火災保険を買収する――こんな説が囁かれている。日生の損害保険子会社であるニッセイ同和損保を日本興亜と合併させ、傘下に収める方向で検討を始めているという。 日本興亜は旧日本火災と旧興亜火災が合併した損保だが、旧日本火災は特に全国の地方銀行との関係が深い。保険自由化による銀行窓口での保険販売の解禁をにらめば、旧日本火災の地銀との関係は日生にとって魅力的。「明治生命と安田生命の経営統合で尻に火がついた」(大手生保幹部)日生としては販売の切り札にしたいらしい。 一方の日本興亜も収益面で大手損保に劣り、先行きは不安視されている。そもそも日本興亜は旧三井海上と三社合併する計画だったが、三井住友銀行の誕生で旧三井海上が離脱、旧住友海上と合併したため、やむなく残った二社だけで合併した経緯がある。販売シェアはジリ貧で、損保業界には他に再編相手が見つからない状況だ。 損保首位の揺らぐ東京海上が日動火災、朝日生命と経営統合を画策、安田火災などの損保ジャパンは第一生命と提携するなど「生損融合」が加速するなか、日生の損保戦略に注目が集まっている。

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