中国の大手家電メーカー、海爾(ハイアール)集団公司の経営危機説が囁かれ始めた。高度成長のシンボル的存在で、急激に売上を伸ばし、海外市場にも積極進出。日本では三洋電機と組んで格安の冷蔵庫などを売り出したことでも有名で、最高経営責任者(CEO)の張瑞敏氏は日本のマスコミに何度も取り上げられている。 同公司の全世界での昨年の売上総額は六百二億元(約九千三十億円)で前年比五〇%もアップ。二十億元(約三百億円)の利益を出し、四億二千万米ドルの外貨を稼いだとされている。だが、消息筋によると、この売上高は“粉飾”されており、系列会社間の内部取引もすべて計上されているという。非上場企業の同公司はこうした疑惑に対して一般投資家を納得させるような説明を行なっていない(株式を上場しているのは電気冷蔵庫部門の青島海爾電氷箱)。 しかも、生産能力過剰のエアコン部門は他社の価格引下げ攻勢で苦戦。パソコンなどの電子機器分野への進出は後発で技術力が伴わずに失敗。派手な企業買収などで積極的に進めてきた海外生産はコスト高で利益が出ない状態が続いているという。

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