松下電器産業が九月中旬、東京の臨海部に体験型の大型ショールームをオープンさせる。そのかわり既存のショールームはすべて閉鎖するという力の入れようだが、総工費などが嵩んでおり、「失敗すれば、松下沈没の象徴になりかねない」と専門家らは冷ややかな視線を注いでいる。 この「パナソニックセンター」は江東区有明の埋立て地に建ち、地上四階、地下一階、延べ床面積一万六千平方メートルと巨大。目玉は吉本興業と提携して番組などを中継しながら別の場所に映像を送り、双方向でコミュニケーションをとるサービスや、任天堂と提携したデジタル機器利用のエンターテインメント施設だ。 商品の展示を減らし恐竜の模型を置くなど、子供たちが遊べる施設を目指しているが、「秀才タイプが頭で考えた娯楽ばかりで、すぐに飽きられそう」と手厳しい指摘もある。 松下は昨年度、最悪となった四千三百億円の赤字を記録。センターには土地の賃貸料を含めて総工費百五十億円以上をかけたが、集客に失敗すれば、グループのイメージ低下など金額以上のダメージが避けられない。

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