ペルーのフジモリ元大統領側近で、在職中の贈収賄や人権弾圧などの罪に問われているモンテシノス元国家情報部(SIN)顧問が最近、国家機密や同国要人に関する核心的な供述を始めたようだ。 リマの消息筋によると、昨年六月ペルーの特別刑務所に収監されて以来、同元顧問は司法当局の取り調べに対し、重要な供述はほとんどしてこなかったが、七月二十八日の独立記念日を境に態度を一変。自ら「CIA(米中央情報局)に金で雇われ、ペルー政府の外交機密や安全保障政策を米側に通報していた」などと進んで供述、これまで公にされていなかったフジモリ前大統領に関する極秘事項も暴露しているといわれる。 モンテシノス元顧問の豹変ぶりについて同筋は、CIAが麻薬取引情報の提供と引き替えに元顧問を南米か米国へ逃亡させる秘密計画の中止を最終的に決定したためとの説や、人気浮揚を図るトレド大統領と元顧問が何らかの取り引きをしたとの情報が流れていると指摘。また、再び勢力を増しつつあるペルー最大野党・アメリカ革命人民同盟と元顧問が結託して、ペルー政局を揺さぶろうとしているとの見方もある。

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