税制の抜本改革をめぐり、経済財政諮問会議と政府税制調査会の対立が再燃しそうな勢いだ。八月末に都内で開かれたシンポジウムで、竹中平蔵経済財政担当相と石弘光政府税調会長が鉢合わせし、またぞろ対決姿勢を深めてしまったのである。 景気対策の先行減税に関して、竹中大臣が「法人税率の引き下げが当然メニューに入ってくる」と、諮問会議の主張を展開したのに対し、石会長が「強い企業を優遇することになる。法人課税の実効税率は、そんなに高いと思っていない」と、既に国際水準並みに引き下げ済みとの見解を披露。久しぶりの公の場での再会が、いがみ合いを深める結果に終った。 抜本改革の検討に着手して以来、諮問会議の民間議員の出すペーパーを税調委員が厳しく批判、逆に税調策定の改革案を諮問会議で民間議員が「志が低い」と罵倒するなど、両機関の間では火種が絶えない。年末に向けて双方の検討が本格化するが、法人課税以外にも議論の分かれる案件ばかり。肝心の税制に関する議論は主導権争いに妨げられる一方で、ある関係者は「両者の議論は平行線で、交わるところはなさそう」と言う。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。