インドネシア・バリ島で連続テロ事件が発生したことで、インドネシア政府もついに国内に広がるアル・カエダ・ネットワークの存在を認めざるを得なくなった。 テロ事件への関与が取り沙汰されているのはイスラム過激派組織「ジェマー・イスラミア」(JI)で、かねてからアル・カエダとの密接な関係が指摘されていた。 JIに注目が集まったのは、六月にインドネシアで逮捕され米国に引き渡されたクウェート出身のJIのメンバーが、CIA(米中央情報局)の取り調べに対し、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピンなどで大規模テロを計画していたことを自白していたため。この男は二〇〇〇年十二月にインドネシア各地で発生した一連のキリスト教教会の爆破事件の首謀者であったことや、メガワティ大統領の暗殺計画に関与したことも自白していたという。 JIはインドネシアのほか、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイなどに組織があり、米同時多発テロ以降、シンガポールでメンバーとみられる三十六人が逮捕され、関係を持つとされる人物がマレーシアで二十二人、フィリピンで九人逮捕されている。

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