フランスの大型原油タンカーがイエメン沖で爆発・炎上した事件をきっかけに、日本向けタンカーが頻繁に通るペルシャ湾のインド洋との出入り口、ホルムズ海峡の安全性に不安が高まっている。 フランス船の爆発は、二年前に米イージス艦がテロ攻撃を受けたのと同じイエメン沖ということもあり、アル・カエダなどによるテロの可能性が高い。ホルムズ海峡はオマーン(飛び地領)とイランに挟まれており、両国が表立ってアル・カエダに手を貸すことはないものの、テロリストにとって潜伏や活動が難しい地域というわけではない。 日本向けのタンカーは一日二隻程度、LNG(液化天然ガス)タンカーも週に一隻以上がホルムズ海峡を通過している。もちろん武装はしておらず、湾岸駐留米海軍のエスコートなどもないため、テロリストの標的にされやすい。 仮にホルムズ海峡で今回の仏タンカーのような爆発があれば、火災、原油漏れなどで一週間程度は通航が不可能になる。ホルムズ海峡の航路幅は実質五百メートルしかなく、攻撃されたタンカーが現場で座礁・沈没すれば航路上の障害にもなりかねない。

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