五月二十日に独立し、九月末には国連加盟を果した東ティモールで、インドネシア占領時代に「KKN」と呼ばれた汚職・癒着・縁故主義が復活。早くも「独裁国家」の懸念が囁かれ始めている。 主要国の駐在大使人事では、マリ・アルカティリ首相の実弟で、インドネシア相手の事業を手がけるジャファール・アルカティリ氏が駐マレーシア大使に任命され、別の弟のアーマド氏も来年初めに開設される韓国大使館の大使に内定している。ジャファール氏がイスラム諸国と太いパイプのあるマレーシアを通じてイスラム利権を、アーマド氏が東アジア利権を狙っているのではないかと言われる。来春までに大使館が開設される駐日大使人事も注目の的だ。 また、政府機関の専横も目に付く。出入国・税関業務を扱う政府機関が裁判所の裁定を無視し、裁判官らが「司法の独立が脅かされる」とストライキを実施。政府に裁判所を尊重するよう求めたが、政府はこれを無視し続け、裁判所の機能麻痺も続いている。「軍事独裁国」インドネシアから独立して半年で、すでに「支配者が東ティモール人に替わっただけ」という声さえ聞こえる。

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