仕事という遊びにも熱中しています

執筆者:成毛眞2002年11月号

 僕にとっては仕事も遊びのひとつである。われを忘れて熱中できることを遊びというのなら、仕事も立派な遊びだと断言できるからだ。 二年前にIT産業の成長率やベンチャー企業の危うさに見切りをつけ、上場成熟企業への投資業を始めた。縮小均衡する産業の中にあって充分に安い株価をつけている上場企業に投資し、その企業に最良の経営テクノロジーを利用してもらって企業価値を高め、投資リターンを見込むというビジネスモデルだ。都市銀行、大手損保、総合商社、総合電機メーカーなど複数の大企業からファンドに出資してもらい、それを投資資金とした。 しかも、投資先企業に注ぎ込む経営テクノロジーの源泉は、ファンドに出資してもらっている大企業からのもの。日本の優秀な学生が役所や大企業に集中して就職していることから見ても、大企業のビジネスマンを利用しない手はない。彼らには、積極的に投資先に対する支援を要請している。いわば、日本の資金と人材の大企業偏在を逆手にとったビジネスモデルなのだが、日本で最もあつかましいファンドであろう。 しかし、このところそれ以外の仕事が増えてきた。おおまかにいうと知的所有権の移転と行使、事業本体に対するITの利用、資金調達の高度化などのコンサルティングと、それらへの投資だ。

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