米国が準備を進めるイラク攻撃へ向けて、防衛庁はP3C哨戒機の派遣検討を密かに開始した。イラク攻撃に関連した航空機派遣となれば、新たな立法措置が必要になるが、表向き「テロ対策のために必要」とし、早急な派遣を目指す。現在インド洋では、テロ対策特措法に基づいて補給艦二隻と護衛艦三隻が活動しているが、P3C哨戒機は派遣されていない。 防衛庁関係者によると、米国のアフガニスタン攻撃でアル・カエダなどのテロリストはパキスタンやアフリカに逃れた可能性が高い。このため、ドイツ、フランスは東アフリカ沿岸に駆逐艦を派遣。不審船舶の監視を続けている。 イラク攻撃が始まれば、各地に散ったテロリストが活動を再開する恐れがあり、レーダーで洋上の船舶を発見できるP3C哨戒機は警戒監視に有効という。計画によると、派遣を検討しているのはP3C三機と約百人の海上自衛官。実現すれば、P3Cは初の海外任務になる。ただ、テロ対策を名目に派遣するにしても、更新されたばかりの基本計画の変更が必要になる。変更は国会報告が義務づけられているため、防衛庁の思惑どおりに進むとは限らない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。