モスクワの劇場占拠事件でロシア・チェチェン共和国のイスラム過激派勢力と国際テロ組織アル・カエダの関連が指摘されたが、両者を支援し、共闘をあおった張本人はエリツィン前政権時代の政商ベレゾフスキー氏だとの見方が出ている。 ロシア治安当局とつながりの強いモスクワの消息筋が明らかにしたところによると、モスクワの劇場占拠事件の生き残り犯や共犯グループを取り調べた結果、ベレゾフスキー氏が三―四年前から、今回の事件で死亡したバラエフ指揮官らのグループに定期的に資金を提供していたとの供述を得た。 また、ベレゾフスキー氏が九七年ごろ、ロシア国内でアル・カエダのナンバー2とされるアイマン・ザワヒリと頻繁に接触、その後、アル・カエダに対し、旧ソ連製の武器を供与していたことを裏付ける証拠も挙がったという。 一方、ベレゾフスキー氏が現在逃亡生活を送っている英国の治安当局筋によると、同国内で拘留中のアル・カエダのメンバーの一人はチェチェン過激派との合同軍事作戦計画があったことを認め、その計画の立案者がベレゾフスキー氏だったと供述したという。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。