十月、パキスタンの捜査当局がカラチ近郊でアル・カエダのものと思われる小さな化学兵器実験施設三カ所を発見・摘発したことで、アル・カエダが依然として生物・化学兵器、ひいては核兵器を手に入れようとしていることが確認された。 摘発された工場はアル・カエダの関連組織「ラシュカレジャングビ」の隠れ家の中にあり、貯蔵されていたシアン化物など毒性のある化学薬品が発見され、押収された。その量はわからない。 パキスタンの捜査官によると、アル・カエダのメンバーがこの工場でいくつかの神経ガスを実験していた形跡があるという。ガスは致死性のもので、自爆テロリストが使う予定だったと考えられる。 実験設備はもともとアフガニスタンのカブールにあったが、昨年秋以降、安全な場所を求めてパキスタンに移された。パキスタンから中東地域にかけて暗躍する密輸グループが移設に関わったとされる。米軍によるアフガニスタン攻撃以来、パキスタンは日に日にアメリカ寄りの姿勢に変わったが、イスラム教徒の多い同国はそれでもまだアル・カエダにとって重要な戦略拠点であり続けている。

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