「家の電話からNTTドコモの携帯にかけているのに料金はドコモが決めている」――。こんな不自然な料金決定ルールに風穴を空けようとするベンチャー電話会社、平成電電の訴えに対し総務省の紛争処理委員会が「料金決定権を平成電電に移すべき」とする答申を出した。「この問題はNTTグループの内紛の火種」と業界関係者は見る。なぜか。 固定から携帯への通話はドコモの場合平日昼間三分八十円。現状では料金決定権を持つドコモが約七十五円を持っていき、残りを固定電話会社に接続料として払っているが、答申が現実になればドコモの取り分は最大四十円程度まで減る。ただ、平成電電は今回の措置で決定権変更の対象となっている直加入サービス(利用者から直接料金を取る)を手がけていないためメリットがほとんどない。固定電話最大手のNTT東・西は、ドコモを支持する持ち株会社の基本方針に縛られて動けない。漁夫の利を得るのは直加入サービスをもつ長距離電話会社のNTTコミュニケーションズだという。「固定発携帯着」の料金決定権を巡る紛争の第二ラウンドでは、NTTグループ内の骨肉の争いに発展する可能性がある。

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