オーストラリアと東ティモールに挟まれたティモール海の石油・天然ガス埋蔵地、ティモール・ギャップの開発をめぐって利害関係者の綱引きが激化し始めた。 有力埋蔵地とされるグレーター・サンライズ鉱区では、大阪ガスや豪ウッドサイド・ペトロリアム、米コノコフィリップス、ロイヤル・ダッチ・シェルなどが出資する合弁企業内に軋轢が生じている。産出した天然ガスをパイプラインで豪州に輸送、豪州で販売するとコノコ社が主張する一方、残る四社はシェルの技術で海上に液化プラントを設置して世界各国に輸出したい意向なのだ。 一方、豪州と東ティモールの間では、国境争いが起きそうだ。インドネシア支配時代の一九八九年に画定した現在の両国国境は豪州に有利といわれ、国際法に基づいて線引きを見直すと、東ティモールが石油・天然ガス開発から得る利益が増える可能性がある。 十二月中旬、インドネシアとマレーシアが領有権を争う二島について国際司法裁判所の裁定が下る。豊富なエネルギー資源が見込まれる地域だけに、豪・東ティモール両国にとっての“判例”にもなるとして、注目が集まる。

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